超ざっくりメイキング
どうも。とある原稿の提出待ちで暇なオタクです。
あまりにも暇すぎるオタクなので、この時間で今日描いたイラストのメイキングを超簡単にまとめてみたいと思います。もう少し詳細が気になる人はラブコールをくれれば調子に乗って詳細なものを書くかも。
まず今日描いたイラストがこちら。
キズナアイちゃんです。新衣装可愛い!
今回はギャルゲ塗りだとかそういったのじゃなくて、「パッキリ塗り」(正しい名前が分からないので僕はこう呼んでる)です。まあアニメ塗りに分類されるのかね。
こういう絵柄のメイキングって意外と少ないんですよね。基本的なところなのに
まあ今回は細かい部分にはあまり触れずに、「どんな感じで絵ができていくのか」を説明したいと思ってます。
お絵描きマンは「そんなの知ってるわ。てか下手くそかよ」と罵って、
初心者マンは「こうやって進めていけばいいのか」と参考に、
絵描かないマンは「アイちゃんかわいい」と思っていただければと思います。
1.アタリを取る
まずは、キャラにどのようなアングルからどのようなポーズを取ってもらうか、ざっくりと決めてしまいます。
これが「アタリ」と言われるものなのですが、まだ体っぽい体は描かずに、簡単な図形で空間取りをします。
ぼくのアタリはこんな感じ。体を箱で、腕や脚は棒で、関節を丸で描きます。
アタリの取り方は本当に人それぞれなので、みんな違った取り方をしてると思います。
この作業で、構図や身体のバランスが決まります。
僕の場合、キャラは6頭身です。
頭1つ目:頭
頭2つ目:腰まで
頭3つ目:股まで
頭4.5こ目:膝
頭6つ目:かかと
といった具合です。
ここをすっ飛ばすと意外と描くのが難しいです。これを飛ばして自らの勘で描くのがよく言われる「手癖ドローイング」というやつです。俺にはできない
2.肉付け(ラフ)
先ほど描いたアタリに肉を付け、ラフと言われるものを作っていきます。
大体の方はこのラフの後に下描きをするのですが、僕の場合ラフと下描きは一緒に済ませちゃいます。面倒だもの
このように先ほど取ったラインを参考に肉が付きます。大分人間らしくなりました
ここでは、人間の体の基本に加えて、おっぱいと体の中心線を描いています。いつもぼくはこうしています
大体のお肉を付けたら、そのまま服を着せたりカツラをかぶせたりします。
こんな感じ。ちなみに下描きって線がある程度誤魔化せるので、個人的には描き上がりよりもこの段階が一番可愛く描けます。
よく聞かれるのが、「身体の形って描くの難しそうだし、水着とか裸って難しいんじゃないの?服でごまかせるからそっちの方が簡単でしょ?」という内容。これが実は全く違くて、服を着せるにしても裸は描かないといけないので、むしろそっちの方が工程が一つ減って楽なんですよね。
この段階では、まだ細かい変更があるかもしれないので、腕とかに隠れている部分も消さずに残しておきます。
3.線画
いよいよ形に残る部分を描いていきます。まずは線を描きます。
このように、先ほどとは気合の入り方が違います。
線はできるだけ1本で、途切れ目がないように。穴が開いてると色塗りの時大変不便です。
基本はさっきの下描きに従って、たまに変更なんかしながらなぞっていきます。今回は大きな変更はありませんでした
線の一本でも、強弱をつけて線にメリハリを持たせます。
例えば、髪の重なる部分や身体の単純な部分は太く。髪の先や身体の複雑な部分は細く、など。最近のペイントソフトは優秀で、描いた後に線の幅を変えたりできるのでそれでちまちまいじっていきます。
僕の絵柄では、線は割と太くします。細いと落ち着かない…
4.色塗り
色を塗っていきます。
まずは「下塗り」、バケツツールを使ってバシャバシャとベースの色を置いていきます。線を閉じないとここで不便
こんな感じになりました。ここは多分だれでもできるんじゃないかな。
色合いとかも後で調節するので、今はそんなに気にする必要はありません。
ただ、白い部分だからと言って何も塗らないとかはありません。白い部分にもしっかり白を塗ってあげます。
まあ基本はこのように透明な部分は白と灰色のチェック模様になっているので、白=何も塗らなくていい、の発想は出ないと思います。白と灰色のチェックが透明に見える、というネタはTwitterでもちょくちょく見かけます
ベースが塗り終わったら、いよいよ影を付けていきます。ここでイラストの印象がぐっと変わります
僕の場合はまずは目から塗ります。ここが一番楽しい
まずは、中心に円形、上半分、そして真ん中あたりにベースより濃い色を塗ります。
目の周りと中心の間にあるシュッとした線は描くとより目力が出る気がします。
次にスクリーンモードで、真ん中にベース色と同じ色を置きます。そのレイヤーの不透明度は50∼70%くらいにしておきます。無くてもいいような気はしてる
目の下に反射光を入れていきます。
青色の瞳なので、今回は加算発光レイヤーで黄色に塗りました。
目の上側に、瞳色とは全く関係ない色を入れます。青の場合はピンクを入れたい。
なんか補色関係とかいろいろあるらしいですが、僕はよくわかりません。入れたい色を入れます。僕は「遊び心」と呼んでいます
最後に一工夫。目の下側に、覆い焼き発光れれイヤーで真っ白に塗ります。
そのレイヤーの不透明度を20%に下げると、輝きが増します
こんな感じ。よくわからんね
目が終わったらもうあとは適当にぬりぬりしていくだけです。
陰になるところにはベースより濃い色を。暗い色ではなくあくまで濃い色。黒を足すだけだとくすんで見えるよ!なので僕は赤とか紫を混ぜます。
光の当たるところには、ベースより明るい色を。僕は加算発光レイヤーにしちゃってベースより少しだけ白い色を乗せたりします。
あとはベースに少しだけグラデーションを入れたりして、単調さを取り除いていきます。下に行くにつれて青や紫がかっていくようなグラデーションをかけると、きれいに見える気がします。
そして意外と重要なのが肌の塗り。肌色はもちろん上のようなものなのですが、実際の人間の肌はもっと血の気を帯びています。そのため、赤を混ぜた色を所々にほんのりと乗せていきます。するとこんな感じ
一気に生きてる感じが増したでしょ?
特に顔周りは朱が大切。頬を朱に染めるだけでぐっと色っぽくなります。
よくおえかきを始めて間もない方(僕も言うほど歴は長くないですが)の肌の影を見ると、くすんでしまっていることが多いです(下の図のような)
肌の影の色を変えただけですが、それが違うだけで、ここまで死人らしくなってしまいます。やはり女の子は生き生きしていた方が魅力的です。
その決め手がやはり「血の色」なのです。先ほども言いましたが、影だからといって黒を足すだけは絶対にやめましょう。
デジタルおえかきの場合、「色調補正」なるもので色味が簡単にいじれちゃうので、色を塗り終わったらそれを使って全体の色味を整えます。
5.仕上げ
作業も大詰めです。
先ほど色を塗ったものに、全体的に補正をかけてあげます。
その絵を表示するモニタが違うだけで大分色が変わってしまうので、今見えている色を信じてはいけません。
最近はやはりスマホで絵を見る人がほとんどですから、僕の場合はスマホに絵を送信してモニタに映る色を確認しながら色調補正をします。大体もう少し鮮やかさが欲しくなる
あとは、「反射光」を加えたりします。
光って、光源から来るものじゃなくて、床に当たって反射してくるものもあるんですよね。それを描いておくと、絵にメリハリがつきます。
僕はだいたいエアブラシで髪の先とかに水色をちょちょいと加えたりします
最後は背景です。やはり白背景だと味気ないので、後ろを豪華にしてやります
まず僕がやるのが、「ベタ線」というやつです。
まずキャラの周りの空間をすべて自動選択します。↓
この選択範囲を反転させることで、色のある部分をすべて選択できました。
その後その選択範囲を3px拡張。するとこんな
そこに線画と同じ色を塗ればベタ線ができます。
周りが太く縁どられました。こうすることでより絵に力強い印象を持たせることができます
あとはなんか背景とか決めて完成。
お疲れさまでした。
作業時間は大体
アタリ 30分
肉付け 1時間
服着せ 30分
線画 2時間
色塗り 2時間
仕上げ ちょっと
といった感じです。かなり筆が遅いのが悩みどころ
レイヤー数は106でした。今回は少なめでしたね
こんな感じで適当に書いていきましたが、意識していることはまだまだ山ほどあります。かなり苦労しています。特に僕の場合地べたに胡坐かいたりしゃがんだりして描いてるので腰に負担がかかります。
なので絵を描くことはかなり重労働であることはみなさん知っておいてください。タダで描いてもらおうなんて甘いぜ!(嘘。描いてって言われたら喜んでやります)
それでもとても楽しいものです。練習すれば誰だってうまくなります。僕は1年半描いていますが、まだまだ上手くなります(自画自賛)
みなさんもぜひおえかきを始めて、自給自足生活をしましょう。
この過程のメイキングが詳しく見たい!という要望があれば、僕なんかでよければできる形で実現していきますのでお気軽にどうぞ。
おまけ 作業スペース 使用ソフト クリスタ